パチュリー：これは、わたしたちの物語のようね。 　　　　　　最初に読んだときは少ししか書いていなかったのだけど・・・ 　　　　　　読むたびにどんどん文章が増えていくみたいね。 　　　　　　あなたにはこれがどう映るのかしら。 「“――箱庭を騙る檻の中で　禁断の海馬に手を加えて 　驕れる無能な神にでも成った心算なの．．．．．．”」 “Love Wishing To The Ark” “崩壊　それは孕み続けた季節” “二月の雪の日　『妹』の記憶” 「“我々を楽園へ導ける箱舟は”　 “哀れなる魂を大地から解き放つ” “救いを求めるあなたにＡｒｋを与えよう”」 “≪Ａｒｋと呼ばれたもの≫は月光を受けて輝いた．．．．．．” “思い出まで裏切った　冷たい言葉の雨” “幸せだった二人　永遠に届かなくなる前に．．．” 「“ねえ何故変わってしまったの？あんなにも愛し合っていたのに．．．”」 “涙を微笑みに変え詰め寄る≪Ａｒｋと呼ばれたもの≫を握って” ――――“愛憎の≪Ａｒｋ≫” 「“さぁ　楽園へ帰りましょう．．．お兄様”」 “因果　それは手繰り寄せた糸” “六月の雨の日『兄』の記憶” “信じていたその人に裏切られた少女” “逃げ込んだ楽園は信仰という狂気” “新しい世界へと羽ばたける自己暗示” “澄み渡る覚醒は進行という凶器” “最後の時に廻った　歪な愛の記憶” “脆弱な精神が堪えきれず　あの日嘘を吐いた．．．” “律すれば律する程堕ちる　赦されぬ想いに灼かれながら“ “まぐわう傷は深く甘く　破滅へといざなう．．．” “背徳の≪Ａｒｋ≫” 「“さあ　楽園へ帰りましょう．．．お兄様”」 “被験体＃1096　通称『妹』　同じく被験体＃1076　通称『兄』を殺害” “〈症例番号（Case Number)12〉　過剰投影型依存における袋小路の模型” “即ち≪虚妄型箱舟依存症候群≫（Ａｒｋ）” “限りなく同一へ近づける　追憶は狂気にも似た幻想” “求めるままに唇を奪いあい　少しずつ楽園を追われていく” “同じ心的外傷(Trauma)重ねれば響きあう　けれどそれ以上には．．．” 「“――箱庭を騙る檻の中で　禁断の海馬に手を加えて 　驕れる無能な神にでも成った心算なの？”」か．．． “在りし日に咲かせた花弁は　暗闇に散り逝くように凛と” “少女の声色で囁く「楽園へ帰りましょう」．．．” “Love wishing to the Ark” “監視卿（Watcher）は天を仰ぎ深い溜息を吐く” “失ったはずの≪左手の薬指≫が虚しく疼いた” “―ふと彼が監視鏡（Monitor)の向こうへ視線を戻すと 　嗚呼．．．いつの間にか少女の背後には『仮面の男』が立っていた――” パチュリー：一度目は元となったものが載ってあるだけ。 　　　　　　これだけではわたしたちの誰が誰なのか分からない。 　　　　　　少しは分かるかもしれないけどね。