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ほむまどインキュベータ

長いので続きます。 あらすじ。 一行の前に現れた魔法少女たち。 マミさんマミマミ。 さやあんキャッキャウフフ。 ほむまどリバあり。 以上。 わからない方は前篇を読んでねっ☆ キュゥべえからのお願いだよっ☆(こう書いておけばどうにでもなるだろう。 言いようのない威圧感が三人から押し寄せる。 そして、彼女らはただ、こう言った。 ほむら「この、暁美ほむらが。」 キュゥべえ「このぼくが。」 まどか「わたしが。」 三人「相手だ。」 同時に、まどかとほむらが弓を引く。 まどか「いくよ、ほむらちゃん。」 ほむら「まかせて、まどか。」 天使と悪魔。白と黒。まったく真逆のものは自分にないものを相手が持つゆえに惹かれるのか。 其の矢は互いにひきつけあい展開されていた空間の断絶――シールドをいともたやすく 貫通し正面に立っていたフィアもろとも吹き飛ばした。 フィア「ぐふっ・・・」 キュゥべえ「絶望。見えた。」 致命傷。そこに追撃するは世界の闇。 当然、耐えられるわけもなく。 キュゥべえ「おやすみ。せめて、安らかに眠るといいよ。」 闇の中にフィアの意識は飲み込まれた。 さらに宙からまどかの矢が降り注ぐ。 闇錫「ち・・・一気に決めないとまずいな。五行転生!」 フィアは生死の狭間から立ち直る。 フィア「・・・余裕は、ないね。リザレクション!」 一行の傷だらけの体は癒しの力によりようやく回復する。 焔「闇の裁き。ブラッディジャッジメント。」 闇の光の柱がほむらの足もとから次々と立ち上る。 ほむら「はっ、はっ、はっ」 それを難なく飛んでかわす。 焔「その翼、飾り物じゃないのね。」 ほむら「そうよ。こんなのはどうかしら?」 すると、思いっきり翼をはためかせた。 宇宙の色をした翼が動きそこに風が吹き荒れる。 電磁力。重力。小さな力。大きな力。 この世の根源とされる全ての力が混沌と混ざり合い荒れる。 さらに宙からまどかの矢が降り注ぐ。 闇錫「さすが創世神クラス相手となると多少不利か・・・」 フィア「無茶苦茶だな。」 それを何とかしのいだ、が キュゥべぇ「どこを見ているのかい?」 フィアの背後には白い姿があった。 キュゥべえ「闇食い――ソウルイーター」 闇錫「まずい!!」 フィア「見え見えだ。」 しかし読んでいたのか、回避したように見えた。 キュゥべえ「無駄だよ。君の魂はもう捉えた。」 フィア「何だと。・・・体が、動かない?」 キュゥべえ「魂の、対価。君は死と引き換えに何を望む?       ・・・無駄話だったね。だって君はもう、死んでるのだもの。」 フィア「なっ・・・ぐ・・・」 糸が切れたように突然フィアが倒れる。 闇錫「闇食い――ソウルイーター。魂を食らい尽くす即死術か・・・」 キュゥべえ「違うよ。これは、魂を対価にこの闇のエネルギーを差し出しただけさ。       最も、魂を抜きだされた体がそんなエネルギーに耐えられるとは       思わないけどね。」 闇錫「なるほどな。だが無駄だ。五行転生!」 再びフィアに生命が宿る。 キュゥべえ「やれやれ。またかい?懲りないねぇ、君は。」 闇錫「御前達に勝つまで何度でも、何度でも繰り返すさ。」 その台詞にほむらが反応する。 ほむら「懐かしいわね。わたしもそうやって何度も繰り返してきた。     結果、救われたのだけどね。貴方はどうなのかしら。」 その顔は優しい笑顔だった。 ほむら「さぁ、続けましょう。」 たなびく髪をかきあげながら言う。 それと同時に再び宙から矢が降り注ぐ。 焔「くっ、やってみれば、わかるわ!蔓延る雷よ、今ここに。スクラッチスパーク!」 静電気。 ありとあらゆるものに存在する電荷の差を利用した力。 普段はプラスとマイナスの釣り合いが取れているが、 それが魔術により極端にバランスが崩れ、局地的に無数の雷が発生する。 そして、人間も電荷を帯びている。ならば、どうして人以外の場所に雷が落ちるのだろうか。 ほむら「くっ。」 羽ばたき逃げるが、もちろん雷のほうが速く雷たちが直撃する。 ほむら「わたしにできることを・・・!」 かなりの傷を負うが、まだ立ち上がり闇錫に弓を放つ。 闇錫「無駄だ。」 軽い身のこなしで降り注ぐ矢を回避されたが、 ほむら「それでいいのよ。まどか!」 まどか「逃さない。これで終わり!」 神々しい神の矢が空に放たれ闇錫に降り注ぐ。 フィア「させないよ。」 光に包まれる。静寂。 光が消え、あとには二人が残る。 フィア「御主人。大丈夫、か?」 そう言ってすべて防ぎきった後、倒れた。 闇錫「フィア・・・まったく。五行転生!」 再びフィアに生命が宿る。 闇錫「・・・次で終わらせる。これ以上仲間を傷付けるわけにはいかないからな。    焔、援護を頼む。」 確たる趣きで焔に言う。 焔「援護なんて言わずにわたしが倒してもいいのよね?まだあの術は使ってないし。」 闇錫「ふ、ようやく調子が戻ってきたか。それでこそ御前だ。いくぞ!此処にあるは    何たる所以?」 その場に存在する力全てが闇錫に注ぎこまれていく。 キュゥべえ「無茶苦茶なのは君たちのほうじゃないか。わけがわからないよ。」 焔「凍える魂よ。その静寂の悲しみに響き渡れ。アブソリュート・ゼロ。」 絶対零度。それを下回れば、万物は静止し、動くこともできない。 魂をも凍らす冷たさが、ほむらを襲う。 しかし、避けようともしない。 ほむら「いいわ。全て、受け止めてあげる。」 一瞬でその体が凍りつく。そしてその周囲に分厚い氷の壁が出来上がっていった、が、 ほむらは一瞬でその氷を突き破り飛び出してきた。 ほむら「貴方の全力はそんなものなの?いいわ、それなら、私の全力見せてあげるわ。」 弓を構え矢を引く。矢にはその羽から力がそそがれ光り輝いていく。 そして矢を、放った。 しかし、それに反応しフィアが動く。 フィア「守って見せると、誓ったからな。」 焔をかばい、その光の矢をもろに受ける。 だが、倒れない。 そこへキュゥべえが追撃する。 キュゥべえ「じゃあ、こんなのはどうかい?光食い―希望殺し」 フィア「ソウルイーターの逆か。なら、魂があんたの思う対価を凌駕すれば     あんたはわたしを食らいきれない。」 キュゥべえ「確かにそうだね。でも君にできるかな。一応は忠告しておくよっ!!」 手が伸びフィアの意思を食らっていく。 フィア「うぉぉぉぉおおおおっ!!!!」 キュゥべえ「無駄だよ!」 希望すべてを奪い取り、代わりに絶望を注ぐ。 それに耐え切れず、フィアは膝をつく。 キュゥべえ「終わったね。」 フィアの眼は虚ろで絶望に打ちひしがれていた。 フィア「だが。」 その眼から零れるはずのないものか零れおちる。 フィア「彼女は違うだろうな。絶望で打ちひしがれ、希望を失ったなら、     彼女ならこう言うだろう。希望を作り、絶望を打ち破ればいいと。」 フィアは再び立ち上がった。 キュゥべえ「まさか、立ち上がるとはね。あの因果から逃れられたものは       今まで二人しかいなかった。君が三人目になるとは。」 フィア「戯言は終わりだ。フィナーレだ。」 と、剣を放り投げる。 投げられた剣は放物線を描き落ちていく。 フィア「彼女の思い、届けよう。この一瞬に。」 フィアは魔方陣をかき始める。それと同時にほむらのまわりを走り出す。 ほむら「何をする気・・・?」 そして剣が地面に落ちようとする一瞬前。術式が完成する。 フィア「懺悔天月。この世に報う。過去も未来も今も構わず。」 そしてほむらの懐へ入り、 フィア「彼女の意思、受け継ごう。」 殴った。 吹き飛ぶ。 フィア「さらばだ。」 いつの間にか落ちていた剣がほむらの真上にあり刺さる。 フィア「十字架の上で安らかに眠れ。」 さらに空中でフィアがその剣を手にし地面へ突き進む。 ほむら「かはっ・・・」 その剣は体を貫通したまま地面に衝突する。 衝撃。 それは身を貫き、弾けてしまいそうな悲しさ。 だがまだ耐える。 ほむら「まだ、足りないわ・・・・」 焔「わたしの本気、見せてあげるわ!!運命――ディスティニー。」 次元が歪む。時間が止まる。元素が分解され、空間は消滅し、魔力は失われる。 そこには時計に鎖でがんじがらめにされたほむらだけがいた。 ほむら「時間停止・・・幻術でもないわね。     一瞬で世界を壊し作り直したというの・・・?」 そこへ神が降り立った。 手には凄まじい魔力の塊が形成されていく。 その魔力を槍に換え、投げつける。 焔「これがわたしの!全力全壊!!」 耳をつんざくような轟音とともにその槍は世界を貫き破壊し再び元の世界へと連れ込む。 それと同時に次元の風が吹き荒れ体を斬り裂いていく。 焔「どう・・・?!」 ほむら「さすがにまずかったわ。でもおしかったわね。」 まだ、立っていた。 しかし、全力を出しつくしたフィアと焔は全身傷だらけでボロボロでもう戦えなかった。 焔「それでいいのよ。闇錫!後は頼んだわ!!」 闇錫「所以などない。我は此処に在り、故に此処に有る。    混沌の狭間に消えよ。我が意思の為に!」 ついに詠唱が完成する。 五行の気が全て吸収され消滅していく。 ほむら「まさか・・・この世界を壊す気!?」 まどか「大丈夫。彼なら、絶対成功する。」 キュゥべえ「まったく、人間って一体何者なんだい?」 焔「わたしにはわからないけど、あいつが凄いのは才能だけでなく努力もすること。」 フィア「わたしは人間ではないからな。だが。     意思があるが故に絶望し希望を持つ。     無駄な筈の力を使いこなすとてつもない奴らだと思うよ。     まったく、人間とはわからないものだな。」 全てが飲み込まれる。 闇錫「五行、混沌。」 カオス。 全てが等しく、全てが異なる世界。その中では神ですらちっぽけな一存在にすぎない。 闇錫「終りだ。」 ジ・エンド。 少しの間だけだった。 その世界を具現できていたのは。 だが、 ほむら「十分ね。」 まどか「まさか、神すらも凌駕してるとは思わなかったよ。すごいよっ、みんな!!」 キュゥべえ「一体人間って何なんだい?本当にわけがわからないよ。」 彼女たちは負けを認めていた。 焔「ようやく、終ったわね。これであなたたちも帰れるんでしょ?」 ほむらの方に歩み寄り手を出す。 ほむら「そうね。お別れということになるわ。」 その手をしっかりと握る。 焔「少し寂しいね。」 零れていく涙。わずかな間であったが、戦いあった者たちはそれを通じ繋がっていたのだ。 まどか「大丈夫だよ。きっとあなたたちならどこかでまた会えるって!」 まどかは笑顔で門をくぐっていく。 闇錫「さぁ、この門を閉めるぞ。」 ほむら「・・・彼、頼んだわよ。」 続いてほむらも門をくぐりかえっていく。 闇錫「わかっている。」 焔「ほむらちゃんも元気で。」 たった一度、手を振り消えていった。 キュゥべえ「こんな時なんて言えばいいのかな?」 フィア「笑えばいいと思うな。」 キュゥべえ「じゃあ、あとは頼んだよ。しっかり扉は封印しておいてね。」 と、振り向きもせず帰っていく。 フィア「潔い奴だ。だが、嫌いじゃない。」 フィアは笑っていた。 焔「さーて、一仕事いくよー?」 門に対し魔術を発動させる。 すると、門が真っ二つに割れる。 焔「はい、終了。」 フィア「おい、それでいいのか・・・御前。」 呆れた顔で真っ二つに割れた門を見る。 だがそこからは前まであった邪気は感じられなかった。 闇錫「後はそこの空間を封印させておいてもらおう。」 と針を刺し陣を組みあげる。 闇錫「これでよし。空間が浮いているからうっかり開くこともないだろう。    用も済んだし、帰るぞ。」 フィア「ああ。御主人。」 焔「そだね。」 そうして三人はそのあとを去った。 のちにこの二人と一体は友人を世界を救うこととなるがそれはまた別のお話。 今は彼らと魔法少女であった彼女らとの出会いのみで物語を閉じることとする。 願わくは、また貴殿に出会えることを楽しみにしている。 戻る あとがき