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蓮奈「さぁ、始めましょうか。」 炎は揺れ、そして凍てつく。 美琴「まずい・・・!!」 蓮奈「もう遅いです。」 凍りかけの炎が打ち出され、炎が氷を削りつつ消えます。 大爆発。一瞬にして氷が水蒸気となり体積大きく変わることで 大気の圧力によって起こる爆発。 橋の上のおかげか風通しがよくすぐに周囲は見渡せるようになるのですが、 見えないとこちらが不利になりますのであまり使いたくないのですよね・・・ まぁ、これは序の口というか手加減したのだけど、 上条さんはどうやらこういった能力により発生した自然現象は苦手のようで 吹き飛ばされていました。 手加減、したつもりなのです。 美琴「水蒸気爆発、ね・・・(いったいどうやって二つの能力を・・・?    それとも温度を操る能力・・・?) 上条「あいたたた・・・ もう少し優しくしてほしいのですよ・・・    女の子がいきなり人を襲ったりしちゃだめなのです!」 美琴「そういえば、あんたはこういうのには弱かったわよね・・・    はぁ、仕方ないわね。あんたが何だか知らないけど、売られたケンカは買うわ。    一気にけりをつけるわよ。 この女の敵との勝負も付いてないしね。」 彼女の体からビリビリと放電が走ります。 蓮奈「はぁ・・・あれは事故ですのに・・・ごめんなさいね、当麻さん。」 そう言いつつ、美琴さんに正面から向かって行きます。 上条「お、おい、危ないぞ?!そいつは・・・」 美琴「正面突破とは分かりやすいわね!! いい根性だわっ!!」 彼女の体から無数の雷が放たれわたしに向かいます。 蓮奈「はぁぁあっ!」 体の周囲に炎を纏い付近の鉄柵を冷気で冷却します。 すると雷は抵抗の高い高温部をさけ電気の通りやすい低温の部分へ 落ちます。そして全て鉄柵に飲み込まれました。 上条「すげぇ・・・」 美琴「くっ・・・これなら、どう!?」 対処できたことに多少の戸惑いはあるようですが、まだ、ですね。 今度は向こうから接近してくるようです。手には超電流を流しているようで、 あれで殴られたらまずいでしょうね。 美琴「はぁっ!!」 宙を飛びあがり真上から襲いかかってきます。なら。 蓮奈「氷と炎よ!!」 至近距離による小規模な水蒸気爆発。一瞬視界が奪われますが相手も同じ。 美琴「どこに居るのっ!!」 蓮奈「はい、隙あり。」 感覚で背後からまわりこみます。 美琴「それを読んでいたのよっ!! これで・・・っ!!」 右手をつかまれ、彼女は電流を流そうとしました。ですが流れません。 当然です。 美琴「・・・え? (で、電気が流れない・・・!!)」 こぶしを振り上げてみます。えい。 美琴「ひっ・・・」 やっぱり可愛いです。 蓮奈「ぎゅー。よしよし、怖かったねー」 美琴「ってなんで抱きしめてなでられてるのー!!!」 上条「あの、わたくしはどうすればよろしいのでしょうか。」 戸惑う上条さん。うーん、でももう少しこの可愛い子を味わっておきたい・・・ 蓮奈「もうちょっと待ってね。 ぎゅー。」 美琴「うぅ・・・なんで効かないのよ・・・・」 どうやら、ようやく戻ってきたみたいです。 残念ですが少し間をとります。 蓮奈「うーん、この右手、相手自身を象徴するものなの。    右手は触れた能力全てを吸収して自らの者として記憶するわ。    ちょっと美琴さん、当麻さんのスーパーの袋をもっておいてくれないかしら?」 美琴さんは意外そうな顔をします。 美琴「何するつもりなのよ?」 蓮奈「ちょっと荒っぽいことするので、卵が割れると悪いですから。」 上条「ん、じゃあ今度は俺か。 みこっちゃんちょっと頼むぜ。」 彼は真剣そうな目つきで此方に歩み寄ります。 美琴「みこっちゃん言うな! はぁ・・・今回の件、貸しにしとくからね。」 上条「だから偶然だって言ってるでしょうに!!」 ふふ、とても楽しそう嬉しいことです。 上条・美琴「「楽しくない!!」」 蓮奈「あら、心の声に突っ込まれましたわ。    それで、わたしの能力なのですけど、吸収すればするほど持ち主の力が増大し、    最終的にこの世すべてを掌握できる程度になってしまっているの。    ・・・だから今ちょっと狙われているのです。」 上条さんはそれに対し、足を踏み出します。 上条「あんたみたいな女の子がそんなくだらねぇ理由で、    世界から排除されようって言うなら・・・!!    その幻想をぶち壊してやるよ!!」 蓮奈「やはり上条さんは聞いた通りの人ですね。    ・・・幻想殺し。その力はわたしの幻想喰いを相殺できるはずです。    覚悟は、よろしいですね?」 いきなりわたしが近づいてきたことにちょっと驚いていらっしゃります。 上条「あ、ああ。いいぜ!いつでも来い!!!」 美琴「あんたわかって言ってるのかしら・・・はぁ。」 そして上条さんの右手にわたしの右手が触れ、降れました。 光。 瞬間、全てが白い世界へと変幻します。 そしてわたしの腕から荒れ狂う炎、氷、雷、魔術から科学技術、 果てにはこの世に存在しない精霊術までもが具現化しこの世界を覆います。 美琴「ここはいったい・・・?」 彼女が疑問を持つのももっともです。ここはわたしの住む一つ下の世界なのですが、 普通の人間が入れる場所ではありませんから。 蓮奈「神の世界へようこそ。上条当麻、御坂美琴。    この結界内はあなた方の住む世界の一次上の神の居る世界。    本来はわたしと彼が具現させる世界なのだけどそれはもう一つ上。    これを行えばわたしは全ての能力を失うのです。」 しかし近くで爆発が次々と起こります。 蓮奈「聞く余裕はなさそうですけれど。」 上条さんの右手からは扱いきれない炎や数々の魔術があふれ出ています。 上条「な、なにがおこってるんだ!!」 そのうちの一部がわたしに襲い掛かります。 蓮奈「無駄です。」 右手を掲げるとそれは吸収されず、打ち消されました。 蓮奈「今の上条さんの右手はわたしの右手と入れ替わっているのです。    もっとも上条さんでは扱いきれないので暴走していますが・・・」 上条「ど、どうすればいいんだよ!!」 蓮奈「もう一度わたしの右手に触れてください。    そうすれば再び正と負の方向性が止揚され元の次元を作り上げるでしょう。」 ですが、能力が暴走しているせいか 上条「ちくしょう!上手く動けねぇ!!」 美琴「力を借すわ!!」 上条「そうか・・・右腕の力がなくなっているってことは・・・」 美琴さんは上手く気づいたようで電磁気を使い当麻さんの体を誘導します。 蓮奈「上手いですね。 ってあ。」 上条「し、しまった!!その右腕は幸運を打ち消す効果が・・・」 そうでした。しかも、わたしの右腕は逆に幸運を吸収する効果が・・・ 思いっきり暴走している魔術の竜巻に誤って突っ込んでいってしまいます。 上条「ちくしょぉ!!上手くいけっ!!」 美琴「無理よ!!あんたの頭じゃ能力なんて・・・!?」 右手から逆方向の竜巻を作り上げ竜巻は打ち消されます。 上条「上手く・・・行った・・・?」 しかしわたしの体は止まらずそのまま上条さんの体に突撃し・・・ 上条「二度は食わないのですよ。っと。」 する前に右手をつかまれました。残念。 美琴「何が残念なのよっ!!!」 光は消え、気がつくと元の橋の上に立っていました。 結界は原因を断てば消えるのは道理ですね。 蓮奈「しかし・・・参りましたね・・・上手く能力は消せたのですが、    相手はそうはいかないみたいですね。」 後方。何人かの暗殺者が忍んでいるようです。 まぁ、わたし一人でもやれないことはないでしょうが、 この状況は少し厳しいです。 美琴「・・・三人、ね。 あんたも大変ね。」 蓮奈「すみません。」 上条「何かあったのか?」 当麻さんが迂闊にわたしに近寄ります。 蓮奈「危ない!!」 わたしの付近に無数の銃弾が放たれます。 ・・・わたしのみなら完全に回避できるでしょうね。 蓮奈「ぐっ・・・」 上条「蓮奈さん!?」 上条さんの体に当たる銃弾を体で受けとめます。 急所は外しているはずですが、流石に痛いですね。 動けないこともないですけど、庇いながらなんてのは無理でしょう。 美琴「あんたたちは逃げなさい。普通の銃弾ならわたしが弾いてあげるから。」 上条「そんなことできるかよ!女の子一人置いて逃げるなんてできない!」 当麻さん、それを美琴さんに言ってはいけませんよ。 美琴「お、女の・・はわ・・・うう・・・・」 あらら。真っ赤になって漏電してますね。 上条「それにこんなに疲れているじゃないか!!ここはオレに任せて逃げるんだ!」 蓮奈「お二方には悪いですが、ここはわたしが引き受けます。    もともとわたしのせいでこんなことになったのですし。」 美琴「はいはい、怪我人は黙ってて。とりあえず一人目。」 ピンポイントに上空から雷が落ちます。悲鳴が上がり人が倒れているのが分かります。 上条「そこかっ!」 いつの間にか上条さんが橋下に隠れていた暗殺者のもとへ駆けだしています。 上条「うおおおぉ!!!」 暗殺者「こ、こいつ!!」 銃を構え乱射しますがどれも当たりません。当麻さんの勢いに押されているようですね。 雑魚でよかったです。 と、考えている間に、美琴さんの声が遠くから聞こえます。 どうやら、近くのビルにいつの間にか登っていらっしゃるようです。 なるほど、あそこにスナイパーがいたのですね。 余裕の表情で二人とも戻ってきます。 上条「これで、終わりか?」 美琴「そのようね、と。 貴女はこれからどうするの?    その体で動き回るのは得策じゃないと思うけど。」 確かに、この体で動き回ると格好の餌です。 蓮奈「いくつか避難場所は用意してあるのですが、どちらがいいのでしょうか・・・。」 上条さんのいらっしゃる寮かもしくは美琴さんのいらっしゃる寮。 どちらも確保できているのですが・・・ 美琴「それじゃあわたしのほうに来なさいよ。こっちなら安全だし。」 確かにそうなのですが、銃で撃たれた傷はどうしましょう。 上条「んー、その前に医者に診てもらった方がよくないか?    わけありだろうとちゃんと見てくれる医者なら知っていますことよ。」 蓮奈「そうですね。とりあえず暗殺者たちが追ってこなくなるまでは美琴さんの    寮にお世話になります。でもその前に傷を治療することにします。」 上条「わかった。じゃあこっちだ。」 美琴「分かったわ。わたしは先に貴女のことを寮長から聞いておくわね。」 蓮奈「ありがとうございます。お願いしますね。」 走り出した当麻さんを追いながら美琴さんに手を振ります。 美琴「・・・不思議な子だったわね。可愛いけど、わたしは可愛いものじゃないって!!」 当麻「なんかいったかー?」 そこ、反応しない。 美琴「なんでもないわよー。」 当麻「そうかー。」 そういうと美琴さんも手を振り返してくれました。嬉しいです。 蓮奈「さぁ、先を急ぎましょうか。」 当麻「おう。そうだな。おちおちゆっくりしていたら・・・」 蓮奈「また、次の追手が来るかもしれませんからね。」 少し心が痛いです。人助けをしたとはいえ、巻き込んだのはわたしですから。 当麻「んー、あんまり気にするなよ?オレももめごとには巻き込まれやすい    体質だからさ。」 蓮奈「知っております。ですから、心配だったのです。でも、そういうことなら    ご厚意、ありがたくいただいておきますね。」 、と自然と笑顔がこぼれてしまいました。やはり優しいですね。 噂どおりです。 当麻「じゃあ、行くか。」 蓮奈「はい。当麻さん。」 to be continue. 前へ 戻る