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EasternDream 春の夜明け

カナ:ほーいと・・・ お皿やフォークなどをまとめて運んで、 霧崎:食器運びが楽だよ。いつもは一人で運んで重かったのでね。    助かる。 ガチャガチャ・・・・と素早く洗う。 カナ:洗うの速いね。うーん、わたしも頑張らないとね。 そう言って一瞬でまとめて移動させると、 霧崎:それでこそ私の腕が見せられるというものだよ。 シュシュシュシュッ・・・・ カナ:すごいわね・・・ 霧崎:ふ、おわったぞ。 一瞬で洗い終わらせてしまった。 霧崎:それほどでもあるがな。・・・だが、義姉さんには敵わない。 カナ:義姉がいるの? 霧崎:ああ。従姉だがな。今はなにしているか分からない。 いきなり扉が開いて、息を切らした研究員が入ってきた。 研究員A:霧崎さん・・・大変です・・・あれが暴走しだしました・・・ 霧崎:そうか。やはり、少し時間が足りなかったか。 それだけを伝えると研究員は出て行った。 カナ:それって危ないの? 霧崎:夜にはある程度おさまるが、今夜明けるまで持たないだろうな。    危険を冒してもらうぞ。 カナ:わかったわ。・・・でもあなたの喋り型なんとかならないの?    わざわざ危険って言わなくてもいいじゃないの?    それじゃ、人が逃げていくわよー。 霧崎:それだけ危険だということだ。 カナ:それにしては冷静ね・・・ 霧崎:自分を信じているからな。わたしは完璧だ。 カナ:・・・なるほどね〜。それでそんな感じなんだ〜。 カナは納得したようにうなずき、 カナ:で、いつ手伝えばいいの? 霧崎:今夜だ。一番おさまるときを狙う。朝が来るまでに帰ってこないと、    お前諸共すべて消滅する。まだ朝九時だ。夕方五時までは自由にしておいてくれ。 そういって財布を投げた。受け取ってみると、かなり入っている。 カナ:いいの? 霧崎:ああ。今さっきお前を信用してもいいと感じ取ったからな。    好きに使ってくれ。 カナ:失敗したら最後のパーティみたいだしね〜。ありがたく使うわ。 そして、研究室のほうへ歩いて行った。 一方カナは部屋のほうにむかった。 部屋に入ると、 ちゆり:なんだか大変そうだな。 カナ:でも、報酬はもらったからちゃんとやるわよ。    うーん、どこに行こうかしら?どこかお勧めの場所はある? 呑気そうにしているカナを見て、 ちゆり:おいおい、いいのか?自分の命が危ないっていうのに。 カナ:大丈夫。なんとかなるわ〜。霧崎も言ってたし。 ちゆり:ったく、どいつもこいつも世話が焼けるぜ・・・・     この辺で面白い場所といえば、市場が近くにあるな。     連れてってやるぜ。 カナ:ありがと。じゃ、案内してちょうだい。 二人は、扉を開け、部屋の外に出て行った。 ちゆり:えーと、出口出口・・・こっちだぜ。 玄関を出て、門から外に出るとそこは海が一面に広がっていた。 水面は光を反射してきらめき、つい先ほど告げられた出来事を忘れられるようだった。 カナ:きれい・・・久しぶりに見たわ。 ちゆり:ん?たしか、幻想郷に海はなかったのじゃないか? 意外そうな顔をしてそういった。 カナ:わたしが生まれる前に見た、あの子の記憶以来ね・・・    あのときの海もきれいだったけど、この海もきれいね。 ちゆり:まあ、いろいろと汚くならないよう努力しているからだぜ。 カナは少しだけ儚げな表情を見せ、そして振り返った。 カナ:そろそろ市場に行きましょう? ちゆり:ああ、そうだな。 そうして、市街地のほうへと歩いて行った。 to be continue. 戻る