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ほむまどインキュベータ

注意 この作品は魔法少女まどか☆マギカとオリジナル作品の二次創作です。 時間軸的にはアニメ終了後の世界です。なおかつまどかが復活しています。 あと何かいろいろ版権混ざってます。ベタ最高。 あらすじ とある村にいた陰陽術の使い手の闇錫という少年は村が魔物に襲われるところを目撃し 、村守るために戦う。しかし、魔物は次々と洞窟から湧き出、全てを殲滅するのは不可能 だった。 そのため洞窟を封印し、友人の伝手を頼り、首都へ応援を要請するために出かけた。 そこで各地で魔物の暴走が起きていることや、人々が絶望に駆られ狂気に暴れている ことを知る。友人の焔と篠とともに異変解決のため世界中を回り、異変の理由を発見し、 解決のために篠は首都へ、焔と闇錫は絶望の発生元へ向かうはずだった。 だが、何者かの手により妨害を受け、焔は重傷を負ってしまう。 闇錫はそれまで封印していた能力を開放し、かつての友であったフィアを護衛に付ける。 そして、力をつけ、その何者かに挑もうとする直前の話。 とある三人組は闇錫の封印していた洞窟の中をさまよっていた。 フィア「御主人、やはり変だ。この魔物はこの世界のものではない。     もしかしてここが発生源なのか?」 と、自動人形―オートマタの少女が呟く。 焔「そういえば、最初に襲われたのもあの村でしたね・・・」 もう一人の少女が相槌を打つ。 闇錫「あの時は人手が足りなかったので入らなかったのだがな。    こんなには魔物もいなかったから結界で封印するだけで十分だったからな。」 コツ、コツと足音が反響する。 焔「では、どうしてこんなに増えてしまったのでしょうか・・・」 闇錫は振り返り、答える。 闇錫「ここに原因があるからだろうからな。」 歩き続けると先に少し明るい場所が見えてきた。 フィア「どうやら最奥のようだな。」 一行はついに最奥にたどり着いた。 そこは周りは岩に囲まれ、彼らが入ってきた背後の道以外には入るすべなし、 とでもいうような頑丈な空間だった。 フィア「・・・変な場所だな。なにか来るぞ、気をつけろ、御主人。」 なにもないというのに寒気を催す。否、何かはある。 だが正体はまったくつかめない。 焔「・・・ぞくぞくする・・・なに、ここ・・・? こわい・・・」 洞窟の内部だというのに奥の方から風が吹いていた。 闇錫「ふん。ただの魔物の巣窟じゃないみたいだな。なぁ。御前。」 よく見ると奥には禍々しい門があり、威圧を放っていた。 ??「君達が焔と闇錫かい?」 頭の中にこだますような声。 声がする方へ闇錫は視線を向け針を構えた。 闇錫「何者だ?此処にいる奴らは御前が創りだしたのか?」 明らかな殺意を向け闇錫は問いかけた。 ??「僕の名前はキュゥベえ。魔法少女の契約をやってるんだ。    ここにいるのはは魔法少女の敵である異形。」 そういって場違いに可愛らしい白い猫のような姿を現した。 キュゥベえ「どうやら僕達の世界と君達の世界が繋がってしまっているみたいだね。」 そんな殺意を向けられるのは不本意だ、とでも言うように話す。 闇錫「・・・ということは此処の奴らはこの世界のモノじゃないってことか。」 敵意がないのが分かると闇錫は針を収めた。 キュゥべえ「そういうことになるね。僕達の世界にも君達の世界が流れ込んできて       異形が増えてしまっているんだ。でもどうしても君達の世界からも       閉じようとしないと異界の門が閉じなくてね。」 そういって彼は猫のような姿で首をすくめる。 焔「・・・ここ最近の異変もこれが原因だったのかな?」 キュゥべえ「そうだね。負のエネルギーが君達の世界に逃げていっているから。」 と転がりながらつぶやく。 闇錫「道理で、変なことが起きるわけだ。」 キュゥべえ「君達の世界で異形が暴れるのは結構なんだけど、それで世界が滅んで       もらうのは困るんだよね。異形に侵された世界は負のエネルギーを持ち       僕達の世界のエネルギーも吸収してしまうからね。」 表情を一つも変えずあっさりと。 一瞬で空気が凍りつく。 闇錫「手前・・・!!」 キュゥべえ「人間達はいつもそうだ。本当のことを告げると怒りだす。       でも大丈夫。この門を閉じることができれば、それは防げるからね。」 悪びれた様子もなくただ淡々と答える。 焔「でも、残ってしまった異形はどうなるの?」 ??「それについては心配ないわ。」 門の中から声がし、黒髪の少女と桃髪の少女がさっそうと姿を現す。 キュゥべぇ「ほむら。君も来ていたのかい?」 ??「ここまで来れたってことは、あなたたちなら負のエネルギーを絶たれた    異形なら倒せるよ。ね、ほむらちゃん。」 振り返り微笑む。 キュゥべえ「まどかまで・・・心配症だなぁ。君達は。心配なんて必要ないのに。」 まるで彼女達が来ることが無駄だったようにふるまう。 そこにはまるで人間性を感じない。理性の塊のようだ。 焔「わたしと同じ名前・・・貴方達は?」 闇錫「そういえば、名前を言ってなかったな。僕は守夜闇錫、彼女が鈴科焔。    で、こいつが人形のフィアだ。」 ほむら「わたしは暁美ほむらよ。よろしく。」 まどか「わたしは鹿目まどかっていうの。よろしくね。闇錫くん、焔ちゃん、     フィアちゃん。     それにしても不思議だね。同じ名前の人がこんなところまで来るなんて。     ね、ほむらちゃん。」 ほむら「そうね・・・。同じ名が呼びあったのかしら。それとも、人を導く光になる     ”ほのお”という名を冠していたからかしら?     本題に入るけど、あなたたちの中で空間を操ることができる人間はいる     かしら?」 と、一行を見渡す。 焔「わたしなら、できます! この異界の門を閉じるんですね?」 その問いに前に出、答える。 キュゥべぇ「そうだね。だけど、君達の力でそのあと彼を止めることができるかな?」 闇錫「何故知っている?」 彼の声色が急激に冷たくなった。 凍りつくような声に場が固まった。 しかし、キュゥべえはそんなことを気にせず話を続ける。 キュゥべえ「彼もここに来たからね。彼にはもしもの時のこの世界の破壊を       頼んだんだよ。そうしないとみんな呑み込まれてしまうからね。」 闇錫「御前が元凶だったのか・・・」 今にも闇錫は襲いかかろうとしていた。 しかし間髪いれずにほむらがしゃべりだす。 ほむら「その必要はないわ。此処まで来たのだから。」 まどか「あとは此処を閉じた後、異形を止めるだけだもんね。」 フィア「ならば、このことを彼に話せばいいのだな。」 あまりに簡単なことだったので、呆れたように言い放った。 ここを閉じ、彼に話をつける。そうすれば何も彼と争う必要もない。 彼の行動は無駄になるからだ。 ほむら「でもそう簡単にはいかないわ。こちらの世界の時間が経過しすぎた。     奴がやって来るでしょうね。」 しかし、その考えは甘かった。 フィア「なにものだ? そいつは。」 ほむら「負のエネルギーが貴方達の世界と混ざり出来た最悪の生命。」 キュゥべえ「だから、君達の力を試させてもらうよ。準備はできているかい?」 嘲笑うように問いかける。だがそこに厭味はなく、純粋にそのままの意味で聞いていた。 だから彼らは答えた。 闇錫「上等だ!」 彼独自の武器である針を取り出す。 焔「仕方ないな〜、もう。」 それに合わせ、背中に下げていた槍を構える。 フィア「主人の思うままに。」 腰の柄から剣を抜き、構える。 キュゥべえ「準備はできてるみたいだね。       じゃぁ、まずは僕だね。君達は下がっていて。       いくよ。」 白い身体が暗黒に染まる。 まどか「キュゥべえ、頼んだよー?」 ほむら「わたしたちは観察させてもらうわ。」 そう言って二人は結界を張り、下がった。 闇錫「一対三とは舐められたものだな。」 キュゥべえ「そんなわけないじゃないか。」 フィア「いったいなにをしようというのか?」 武器を構え其々警戒する。 キュゥべえ「来たれ、巴マミ。」 禍々しい魔方陣から黄色の髪の少女が飛び出す。 見た目は猟師のようで帽子をかぶり銃――マスケット銃を持っていた。 マミ「あら、久しぶりね、キュゥべぇ。」 まどか「マミさん!久しぶり〜」 マミ「まどかさん?久しぶりね〜。でもそうも言ってられないわね。    彼らを試すために呼んだのでしょう?キュゥべえ?」 ウィンクしながら戦闘準備に入る。 キュゥべえ「話が早いね。流石マミだよ。」 マミ「という訳で悪いけど、貴方達には本気で相手になってもらうわね。」 焔「よろしくお願いします!」 槍を前に構え礼をする。 マミ「耐えられるかしら?」 スカートの裾を一振りすると無数の銃が生み出される。 フィア「隙があり過ぎだな。」 しかし、隙が大きいためいつの間にかフィアが背後にまわり足元に何かをしかけた。 すると、たちまち蔦の様なものが生えマミの体をとらえた。 マミ「甘いわ。」 髪止めに手をかける。それはしなやかに伸び、蔦を切り裂いた。 マミ「間一髪、ってところね。」 闇錫がいつの間にか投げていた針が直前にいた場所を通る。 闇錫「ちっ。大人しくしていれば当たっていたものを。」 その言葉を微笑みで受け流し、 マミ「あら、ではお返しに。」 銃を手に取り二人に標準を定め、次々とトリガーを引いた。 フィア「しまったな。また御主人に怒られる。」 近距離で放たれた銃弾を回避できるわけもなくフィアに無数の弾が命中する。 闇錫「ふん、回避しきれなかったか・・・」 闇錫にも当たったようで軽傷だが、体にはいくつも傷ができていた。 フィア「フルヒーリング。」 癒しの魔術が一行を包み、傷が忽ち癒えていく。 マミ「耐えたみたいね。近距離であれだけの弾を受けて耐えるなんて    大したものだわ。」 フィア「人間ほど弱くはないからな。傷がつくのは嫌だが。     それに、時間は稼げたようだしな。」 マミ「そのようね。あの子がいないもの。(・・・何が来るのかしら・・・?)」 焔「風よ、かの者を斬り裂け!サイクロン!」 マミ「魔術系、ね。くっ!」 竜巻に呑み込まれ宙に浮き、体が斬り刻まれる。 マミ「魔法少女って、こういうこともできるのよ。」 と、魔力を体に注ぎ始めた。すると見る見る体の傷が癒えていく。 フィア「回復系か。」 マミ「ちがうわ。そもそもの魔力がそのまま耐久力なのよ。だから魔力が尽きると    普通に死ぬわ。もちろんその前にやめるのだけど。ふふ。」 魔術の終了により、落下しながら空中で体勢を立て直し、多数の銃を召喚した。 焔「多い、わね・・・まずいかも?」 魔術で結界を錬成しつつ、その場から走って逃げる。 マミ「無駄よ。」 キュゥべえ「そうだね。マミの銃の腕は確かだから、あまり無駄なことはしない様にし       た方がいいと思うよ?それにそろそろこっちも準備ができたしね。       来たれ、美樹さやか。」 そういうと、青い髪の剣士が魔方陣から飛び出した。 さやか「よっと、久しぶりぃ、みんなぁ?」 陽気に仲間たちにしゃべりかける。 まどか「さやかちゃん!久しぶり!!彼とはうまくいってる?」 さやか「もちろんじゃない。まどかに心配されることもないよ〜」 マミ「あらあら、二人とも仲がいいのね。」 さやか「おっと、マミさん嫉妬〜?はしたないよ〜?」 にやつきながらじりじりとマミににじり寄る。 闇錫「戯言はそこまでだ。」 と、針を投げつける。 するとさやかは振り向き真剣な顔つきになり、飛んできた針を絶妙なタイミングで はじき飛ばした。 さやか「おっと、そうだったそうだった。あんた達の相手になればいいのよね?     うーん、出来ればこの世界もわたしが救っちゃいたいところなんだけど、     彼をおいて行くことはできないしねー。」 と、のんきに頭の後ろに手を置きながら言う。 フィア「気をつけろ。こいつはマミとは何か違う。」 さやか「じゃあいっくよー!」 すごい勢いでフィアににじり寄り切り裂く。 さやか「はっ、はっ、たぁっ!」 フィア(一撃が重い!!く、わたしでもまともに食らえば耐えられるか・・・・) 爪でなんとか受け流す、がしかし、背後から声がする。 マミ「みんなわたしを忘れていないかしら?」 召喚されていた多数の銃から無数の銃弾が発射される。 焔「忘れてなんていませんよっ。ディバインシールド!」 と、手を前に出すと、そこらかしこにいつの間にか張られていた結界が集結し 一行の周囲に空間の狭間を作り出す。 闇錫「何とか凌げそうか・・・?!ならこちらはこちらでできることを・・・!」 焔「はぁぁっ!!」 目に見えない、攻撃を断絶する狭間。ほとんどの弾がその狭間に飲み込まれ 消えていく。しかし幾つかが通過していく。 だが、それもスピードはなく、 フィア「無駄だな。」 カンッ、という音とともに剣にはじかれる。 マミ「その技、厄介ね・・・・でも完全には防げないようね。    なら、これはどうかしら?」 その合図とともに巨大な砲台が出現する。 フィア「・・・何を?」 そのすきに さやか「たぁっ、はぁぁぁっ!!」 と、さやかがなにもない場所を切り裂いた。 闇錫「なに!!空間が・・歪んだ!?」 驚きの声を上げる。 それもそのはず、あるはずの空間が無くなっていたからである。 キュゥべえ「強い願い、それは空間を捻じ曲げるほどのもの。       さやかを舐めてもらっては困るよ?」 当然、あるはずの空間をうめるように空間が歪み、闇錫たちを巻き込み、斬り裂く。 フィア「ぐっ」 闇錫「(間に合わないか・・・なら)くっ」 焔「きゃぁっ」 闇錫は体を切り裂かれる直前、何本かの針を投げた。 マミ「あら、最後の抵抗かしら?」 焔「ちがうわよ。彼が無意味な行動をとるわけないし。さすがにわたしでも   空間系は痛いね。おかえし。   蘇る闇夜の焔。フェニックスフレア!」 さやかの足もとから焔が吹き荒れ、炎の鳥の姿をし、襲いかかる。 ジャンプして避けようとするが、炎の鳥が追撃し、直撃した。 さやか「うわっ、あつっ、あつっ!!危ないじゃない!!」 焔「あれで危ないですむのですか・・・」 マミ「くっ・・・」 さやか「マミさん?!」 気がつくと、針が体に刺さっていた。 闇錫の針。各種の毒が塗ってあるものから、秘功を突くもの、さまざまだが、 大抵は行動を封じるためのもの。 それが、刺さっていた。 マミ「うぅ・・・(体に力が入らない?!)」 闇錫「これでようやく集中できる。」 さやか「ちょっとピンチ・・・?」 少しやばいことに気がついたのか後ずさる。 フィア「今更気がついたのかい。」 キュゥべえ「やれやれ、弱点を突かれたみたいだね・・・」 と少ししかない首をすくめる。 焔「天駆ける無数の星々よ・・・」 マミ「まずい、わね・・・でもできることをっ・・・」 と最後の足掻きか、銃を発生させる。 焔「させない!メテオシューティング!!」 広範囲に隕石が降り注ぐ。 マミ「!!」 当然動けないマミはなすすべもなく隕石がその身に直撃した。 さやか「わっと、わわっと」 凄まじい音とともに一人と一匹のほうにも隕石が降り注いだ。 ??「まったく、もったいないじゃないか・・・」 砂埃とともにゲートのほうから白い影が現れた。 闇錫「なるほど、ただの契約獣ではないということか。」 それは先ほどの隕石で潰されたキュゥべぇだった。 つぶされた死体のほうに歩いていき、 キュゥべえ「むしゃむしゃ・・・きゅっぷりぃ」 食べた。 焔「!」 さやか「あー、いつみても奇妙だねー・・・ってか食べるものなの?」 と、傷一つ負わず砂埃の中から出てきた。 フィア「あれをすべて避けたのか・・・」 さやか「うーん、避けきれなかったからはじき返したけどね。」 あっけからんと言い放つ。 フィア「むむ・・・私も見習わなくてはならないな。」 真剣な顔つきでうなずく。 焔「見習わなくていいですよ・・・わたしの立場がなくなるじゃない!   それより、彼女はやったかしら・・・?」 振り返ると砂埃がすべておさまり、体が消えかけている少女が見えた。 マミ「んー、あんまり活躍できなかったわね。先輩としていいとこみせとかなきゃと    思ってたのだけど・・・」 闇錫「仕方ないさ。わたしたちが相手だったのだからな。」 マミ「じゃあ、あとはたのんだわよ。」 手を振り笑顔で消えていった。 一行はそれを聞き届けた後、白き魔獣の方へ振り返る。 焔「そういえば、この召喚術、実物を召喚しているのではないのですね。」 さやか「そうなの?」 キュゥべぇえ「そんなことも知らなかったのかい・・・さすがに彼女たちがここで死んで       しまうのは得策ではないからね。魂の欠片を少し借りているんだ。」 闇錫「なるほどな・・・」 さやか「え〜と、続きはいいの?」 フィア「そうだな。」 其々が武器を構えなおす。 キュゥべぇ「来たれ、佐倉杏子。」 闇錫「三人目か。」 赤い魔方陣から真っ赤な少女が飛び出してくる。 杏子「おーっす、さやか。来てやったぜ。」 さやか「ようやくお出ましですかー。杏子ちゃん。     このこの〜」 と、さやかは剣を持ちながら頭をぐりぐりと撫でる。 それに対して、 杏子「お、おい、あぶないだろ!!」 少し顔を赤くして耐えていた。 ほむら「・・・いちゃつくのはそこまでよ。」 後ろの方からヤジが入る。 さやか「そうだったそうだった。」 まどか「いつも通りで安心したよー。杏子ちゃんもお久しぶりー」 杏子「おう、で、こいつらをやっちまえばいいんだな?」 キュゥべえ「大体あってるけど違う気もするけどそんな感じだね。」 すると、槍を作り出し、 杏子「いくよっ!つぶれちまいなっ!」 ジャンプしつつ魔力を纏い突撃する。 衝撃。一行は吹き飛ばされる。 フィア「く、ヒール」 受け身をとりつつ回復呪文を唱える。 焔「ありがと。じゃあこれはどうかしら。生命の元たる水よ嘆き狂え。   スプラッシュティアーズ」 詠唱を終わらせ術が発動する。 足元から水泡が湧き出、宙で弾け飛び杏子に襲いかかった。 凄まじい水圧で全てを流し去る。 だが、 焔「直撃とはいかなかったみたいね・・・」 杏子「危ない危ない・・・」 すんでのところで回避され、 フィア「追撃かっ・・・!」 こちらはさやかの剣をもろに受ける。 さやか「さらにもういっちょ!さらに追撃っ!」 フィア「ぐっ!」 攻撃した勢いを利用するように連続でたたみかけ、 さやか「っと、」 バックステップで自分の間合いに戻る。 闇錫「フィア、時間を稼げるか?」 フィア「厳しいが、何とかなりそうだ、ご主人。」 ボロボロの状態から態勢を整えつつ返事をする。 さやか「そうは問屋がおろさない!」 剣を一振りする。 フィア「見切った!!」 さやか「な・・・!」 響き渡る金属音とともにさやかは弾き飛ばされた。 すかさず闇錫が着地を狙い針を投げる。 闇錫「これで何とかなるか・・・?」 それと同時に針で魔方陣を描き始める。 杏子「させないよ!」 それに気づき杏子の槍―多節棍が伸び、闇錫に襲いかかる。 フィア「させない。」 しかしフィアの剣戟に弾かれる。 フィア「これで終わりか?」 杏子「ちぃ!」 多節棍では届かない場所まで弾かれたが、 焔「フィアちゃん、まだ来るよ!」 さやかが立ち上がり、 さやか「・・・あはは」 杏子「さやか?!」 キュゥべえ「狂乱しているみたいだね・・・」 フィア「闇錫の技が裏目に出たか。」 毒。闇錫の毒針には体を蝕むだけでなく精神を蝕む毒も含まれている。 すなわち相手を狂乱させる毒も。 さやかは禍々しい気を纏いフィアに襲いかかる。 それを何とか受けていくが、 フィア「くっ・・・」 耐え切れず態勢を崩され、 さやか「あれー?どうしたの?あはははは!!」 さらに追撃される。 焔「まずいわね。ディバインシールド!」 フィア「助かる。」 さやかとフィアの間に空間の隔たりができる。 しかし、それに構わず突撃してくる。 さやか「無駄無駄無駄無駄ァ!!」 其の嘆きの連撃は空間の隔たりをもろともせずに襲い掛かる。 フィア「なんだと!?」 フィアはそれを何とか受けきる。 フィア「なんて力だ・・・焔の技で軽減しているというのに持たないのか。     大いなる癒しよ。リザレクション!」 巨大な魔方陣を展開し一行の傷が回復する。 杏子「さやかーー!!しっかりしろっ!!」 その狂気。ただの毒による狂乱ではなく、本人による資質。 それによりバーサーカー――狂乱の戦士と化していた。 さやか「邪魔しないで(助けて・・・)」 わずかに残った理性。その声は誰に届くか。 杏子「御前・・・!!・・・なら。」 手を組み祈りをささげ始めた。 杏子「絶対、戻ってこさせる・・・!!だから、あたしもこの力を・・・!」 杏子のまわりに魔力が渦巻き始める。 焔「なんて魔力・・・それに魔力の質が変わった?」 そしてそれはすべてさやかに注がれていく。 さやか「あはは。力がみなぎる!!!煉獄の彼方へ連れてってあげるわ!!!    (・・・!)」 しかしそれと同時に禍々しさも増す。 杏子「絶対!!戻ってこいよ、信じてるからな。」 さやか「(わかったわ・・・っ・・・わたしは・・・)」 さやかの瞳から光が消える。 ――少し前。 さやか「!!」 闇錫の針に刺されたせいでその身に刻まれた記憶が蘇り、 さやか「やめて!!出して!!たすけてよ・・・!!」 さやかの意思は闇に沈んだ。 さやか「・・・意味、ないんだ・・・わたしのしてきたこと・・全部・・・」 そこには何もなく暗闇しか存在しないはずだった。 ??「・・やか!・・っかり・・!」 だが、誰かの声がこだまする。 さやか「だれ?」 声のする方を向く。 ??「絶対!!戻ってこいよ、信じてるからな。」 一瞬光が見えたと思うと、その声の主は背を向け去ってしまった。 さやか「・・・そうだ。こんなとこで諦めちゃうさやかちゃんじゃないんだからね!!     」 立ち上がり、当てもなく走り始める。 しばらくすると、開けた空間に出る。 さやか「あ、わたしの剣・・・」 そこには大量の剣が地面に刺さっていた。その数々の剣の奥にさやかの姿をした影が “いた”。 さやか「なるほど、わかりやすいね。わたしの影を倒せってこと?     ・・・たしかに、わたしはあの時馬鹿な事をしたのかもしれない。     でも、後悔しても仕方ない。今を生きればいいんだからね。」 剣をとり、 さやか「さぁ、どこからでもかかってきな!わたしの闇!」 影に向かい走る。。 さやか「後悔なんてっ!!あるわけない!!」 フィア「さらに禍々しくなったな。」 焔「やるしかないみたいね。」 刹那。油断をしたわけではない。完全に予想もできないスピードで動く。 さやか「遅いヨ?煉獄斬!」 地獄を垣間見るような灼熱と絶望の斬撃。それが空間を斬り尽くす。 フィア「まずい!!御主人!」 反応が遅れた闇錫をフィアがとっさにかばう。 闇錫「すまない。」 フィア「あとは、たのむよ。御主人。」 しかしフィアは斬撃をもろに受け倒れる。 然し斬撃は焔をも襲いかかる。 焔「これだけ離れていても届くとはね。   でも、当たらなければ・・・!!空間転翔!」 所謂ワープを使い届かない場所まで跳んだが、 杏子「それも読んでるんだよ!!去りな。」 幻術を使いその背後に大量の槍とともに現れる。 一瞬前にはさやかの後ろにいたはずの杏子はそこから遠く離れたほむらの背後に 立っていた。 槍、槍、槍。 何本もの槍が襲いかかり、 焔「しまった?!」 もろに串刺しになり倒れる。 闇錫「間にあったか。」 死屍累々としてるなか平然と立ち上がる。 杏子「なんだと?」 そう、状況的には全然間にあっていなかった。だが、彼はそう言った。 闇錫「百花繚乱。」 杏子とさやかの周囲に無数、数え切れないほどの針が現れ、 杏子「こんなのありかよ・・・」 体に次々と刺さっていく。 さやか「あはははは。無駄無駄!!痛みなんて感じないんだから!!!」 何本か刺さってはいるが痛みをまったく受け付けないのか吐き気を催す声で笑い出す。 闇錫「そうか?」 さやか「次はあんたの番だ。」 跳びかかろうとした瞬間、 さやか「な、に・・・?」 光が満ち溢れる。 杏子「たく、遅いんだよ・・・」 此方は痛みを感じながらもなんとか耐えきったようで立ち上がる。 そしてこう言った。 杏子「おかえり、さやか。」 ――少し前。 さやか「はぁ、はぁ・・・さすが自分ね・・・」 さやかは影に苦戦していた。まったくもって同じ癖、技、能力を持っている自分の影。 当然勝負が決まるわけもなく、 さやか「はぁっ!!」 影さやか「・・・」 疲労や痛みを感じないことを恐れ、いまだそれらを感じるさやかは圧倒的に不利だった。 さやか(まずいわね・・・負ける・・・?!) ふとした油断。一瞬ともいえない刹那の心の隙。 影さやか「・・・!!」 剣戟がさやかの体を貫く。 さやか「しまっ・・・・たっ?!」 剣はさやかの体を貫通していた。 体がとてつもなく重かった。 思わず膝をつく。 傷口から滴り落ちるその紺青に対する真紅。 さやか「くぅ・・・でも・・・」 思い出す。 自分がなぜ正義を語ろうと思ったかを。 思い出す。 自分のために誰かが何かをしてくれたことを。 思い出す。 自分の幸せを、みんなの幸せを。 思い出す。 陸に立つことすらできなかった人魚の頃を。 思い出す。 自分が陸に立つために払った代償を。 思い出す。 そのせいでどんなひどい目に会ったかを。 思い出す。 彼女がそのとき支えてくれたことを。 だから、さやかは、 さやか「負けられない。こんなものに。ううん、負けたくないんじゃない、     救いたいんだ。みんなを。いきたいんだ、これからを。」 再び、立ち上がった。 さやか「あんたを、ここから連れ戻す。」 影さやか「・・・」 さやかは影に向かい走りこむ。 反応して真正面から斬りかかる影。 さやか「・・・」 しかし、それは残像だった。 影さやか「!!」 さやか「もう、後悔なんて誰もさせない。」 背後に回り込み、 影さやか「!?」 剣を捨て、抱きしめていた。 さやか「おかえり。わたし。」 影さやか「おそいよ、ばか・・・」 二つの影は混ざり、一人となる。 さやか「さぁ、むかえにいくよ。まってて、みんな・・・」 さやか「そして、ありがとう、杏子。」 それを最後に辺りはまばゆいばかりの光に包まれた。 まばゆい光が消え、そこには騎士の姿をした青い人魚姫が立っていた。 騎士は姫の手の甲に口づけをする。 杏子「なっ!」 さやか「ヒール。」 またたく間に杏子の傷がいえる。 さやか「さぁ、行くよ?あなたたちは今の私ぐらい倒せないとね。」 マントをはためかせどこまでも青い瞳で見つめる。 闇錫「いいだろう。仕切りなおしだ。五行転生。」 ここに漂う木、火、土、金、水、・・・ 全てが相互に助け合い、打ち消しあい、生命の繋がりを強化する。 焔とフィアがその力により立ち上がる。 フィア「ようやく、か。」 焔「不便ね・・・危機的状況に立たないと使えないなんて。」 その二人は尋常でないほどの力を纏っていた。 闇錫「死から生への転成。それによる力の強化。それがこの術のすべてだからな。    間に合ったってことはそういうことだ。」 杏子「仕切り直しってことかい。じゃあいくよ!」 鋭い突きを繰り出すが、闇錫は余裕で回避する。 闇錫「まだまだだな。」 そう言って間合いを取る。 焔「これで決めるわ。この世のあらゆる力よ・・・」 その詠唱を阻止するように さやか「させないよ。」 大きく剣を振る。 闇錫「またその技か・・・」 空間ごと切り裂かれるが、闇錫は余裕で回避する。 しかし、フィアと焔はまともに受けてしまう。 フィア「力は狂乱していた時と同じか。なかなかに厄介だな。」 焔「くっ・・・」 しかし詠唱は止まらない。 フィア「受けきれるか?」 フィアはさやかを連続で斬りつける。 さやか「あまいあまいあまい。」 だが、余裕で受け流した。 闇錫「これならどうだ?」 高速で針を投げつけた。 さやか「なめられたものだね。」 針が飛んでくる。だが、さやかは当たる直前に人差し指と中指で受け止める。 杏子「こっちも負けてられないなっ!!」 多節棍で連続して斬りつける。 杏子「おらおらおらおらぁっ!」 フィア「見切った。」 フィアにあっさりと受け流される。 杏子「ちっ。まにあわないか。」 と下がるが、 焔「八櫻招来!」 炎、氷、水、雷、風、地、光、闇、 八つの櫻の柱が杏子を囲む。 杏子「まずい・・・」 さやか「杏子っ!!」 空間が歪む。 杏子「さすがに、耐えきれる自信がないな・・・すまねぇ、さやか。」 赤の魔法少女は櫻の柱の魔力に飲み込まれた。 フィア「やった、か?」 魔力の嵐が消え、そのあとには、 杏子「なんだよ・・・なんで、庇ったんだよ?!」 杏子に蔽いかかる青い少女。 しかし、完全には庇い切れなかったのか杏子もボロボロだった。 さやか「騎士は、姫を、守らなきゃだめ、でしょ・・・?」 杏子「もう、喋るな・・・」 さやか「それに、死ぬわけじゃないん、だから・・・」 杏子「わかってる・・・。」 さやか「じゃあ、先に、行ってるね・・・」 青い少女は淡い泡を残し、消えた。 杏子「・・・一人ぼっちは、さみしいもんな・・・」 魔力の嵐。たった一人の少女のもとに集中していく。 焔「まずいわ!ディバインシールド!」 攻撃に備えシールドを展開する。 フィア「大丈夫か?ヒール。」 焔の元に駆け寄り回復する。 闇錫「止める!」 針を投げるが、 杏子「いいよ。」 何本かは魔力にはじかれ当たらず宙を舞う。 さらにそれらは進行方向を変え再び杏子に襲いかかり命中した。 杏子「一緒に行ってやるよ。」 しかし微動だにもせず、 杏子「最後ぐらいは、笑顔で、な。」 と、笑い顔で。 フィア「瞬。」 瞬間的に切り裂く。何度も切り裂く。 だが、やはり動じず、 杏子「じゃあ、な。後は頼んだよ。ほむら、まどか、キュゥべぇ。」 辺りは一面光におおわれた。 光がきえ、砂埃が収まる。 フィア「大丈夫か、ご主人。」 闇錫「ああ。何とか、だが。」 焔「こっちもなんとか・・・」 三つの影が立ち上がる。だが、三人とも満身痩身だった。 キュゥべえ「見事だね。これぐらいなら僕たちも本気で行けそうだね。」 ほむら「そうね。」 まどか「手加減しないんだからっ!」 境界を超え二人の少女がやってきた。 闇錫「ようやくのお出ましか。」 ほむら「もう御託はいいわね。いくわよ。」 無数の手榴弾を投げつける。 フィア「これは避けれないな。」 焔「任せて。空間斬!」 空間が切り裂かれ手榴弾はその狭間に消え、 ほむら「くっ・・・」 まどか「うわっ。」 二人の魔法少女を切り裂く。 まどか「じゃあ、今度はわたしの番だね。」 と、弓矢を構え空に放った。 フィア「二人とも遠距離型か。なら。」 その瞬間を逃さず、まどかとの間合いを詰め斬りつける。 まどか「きゃぁっ」 まともに一太刀受けるが、 フィア「・・・かたいな。」 まどかは全くの無傷だった。 キュゥべえ「史上最強の魔法少女だからね。」 フィア「なら、まずはあちらから狙うか。」 と下がった。 その時、 闇錫「くっ。」 空から一筋の光が襲いかかり、闇錫は倒れた。 フィア「御主人!?     ・・・空。否、この世に何かいるな。」 キュゥべぇ「とある人曰く円環の理の応用らしいよ。さっきのは天罰みたいなもの       だから避けられないしね。」 焔「一気にかたずけないとまずいわね・・・」 フィア「まずは御主人を助けねばな。リバイヴ!」 生命の息吹により闇錫は再び立ち上がった。 闇錫「ち、闇を狙う神聖術か・・・わたしには厄介だな。」 その場から離れつつ詠唱をし始める。 焔「そうね。安全のためにこれを使っておこうかしら。」 と、詠唱を開始する。 ほむら「これはどうかしら。」 休憩する間もなくフィアに向かってマシンガンを連射する。 それをフィアは受けながす。 ほむら「これならどうかしら・・・」 手の装置が動き出す。 そして、”時は止まる” フィア「!」 焔「!」 闇錫「!」 が、しかし。 焔「わたしも時間は操れるのよね。」 闇錫「何とかしのげた、か。」 この二人はどうやら時の止まった空間でも動けるようだった。 時間。それは誰もに対等に流れる。故に全ての時を止める場合、防がれることがある。 ほむら「なら、加速するだけよ。」 しかし、自らのみに対し時を操ればだれが止められるのだろうか。 ロケットランチャーを目にも見えぬ速さで撃ち続ける。 それらは止まった時間で打ち出された瞬間のまま停止する。 ほむら「そして時は動き出す。」 フィア「なっ!」 爆撃。全てフィアに命中する。 それと同時に焔の詠唱が終了する。 焔「なんとか耐えてるわよね?」 魔力の渦が一行に行きわたり体にまとわりつく。 キュゥべぇ「強化系の魔術かい。」 ほむら「しかも全体。厄介ね。」 まどかが弓でフィアを追撃する。 それと同時に空から光の矢が一行に降り注ぐ。 闇錫「やはり厄介だ。」 光の矢を受けつつ詠唱を続ける。 きゅぅべえ「これは受けきれるかな?」 フィア「なんだ・・・それは・・・」 禍々しい希望からの転換された絶望を発生させ、フィアを襲った。 フィア「・・・」 苦しそうにしゃがみこみ立ち上がらない。 単なる絶望ではない。 神のみぞ知る、否、まどかの知る全ての魔法少女の苦痛。それが流れ込んだ。 あまりにも膨大な時間の記憶に、フィアは時の狭間に飲み込まれたのだ。 闇錫「無音殺。」 そこを前触れもなく詠唱が終え、ほむらの背後に立ったと思うと斬り裂き、 元の場所へ戻っていた。 ほむら「うっ・・・」 まどか「ほむらちゃん!大丈夫!?」 まどかがほむらのもとへ駆け寄る。 その間に闇錫はフィアの元へより、 闇錫「暗黒殺。」 針でさした。 その針はフィアを覆っていた禍々しい絶望を完全に吸収し、それを力とし ほむらの方へと飛んで行った。 フィア「ありがとう、御主人。さて。」 剣を構えなおす。 フィア「十六夜斬花」 其の花が舞う夜。 花弁が舞う、舞う。 其の花弁を斬らず、かつ花弁の軌道を読むように斬る。 花弁は絶えず揺れ動き剣戟によりさらに揺れる。 それに合わせ剣を添える。 そう、斬るというよりは沿うと言った方が正しいかもしれない。 地面に着くまで剣は花弁の舞う軌道を描き続けた。 ほむら「くっ!!!」 地面に着くとともに鮮血の花が咲く。 まどか「ほむらちゃんっ!!!!」 ほむらは今にも消えそうになっていて、意識も殆ど無かった。 そこへ、まどかからとてつもない力がそそぎこまれる。 そして、まどかは消滅した。 否、神と化した。 ほむら「まど・・・か・・・?」 意識が朦朧とした中、何かの温もりに再び目を覚ます。 キュゥべえ「こっちの世界でその姿をとって大丈夫なのかい?」 神と化したまどかに問う。 まどか「わたしは大丈夫。さあ、続けるよ・・・。」 慈愛の表情で答える。 本来なら、神が世界を超えることは歪みを生じさせる。 其の痛みは途方もないものだ。 しかし、まどかは微笑んでいた。 キュゥべえ「なら、僕も本気を出すしかないね。」 そういうと門から禍々しい気を吸収した。 キュゥべえ「絶望や希望のエネルギーは僕たちの専門分野だからね。       それ自身を生みだすことはできないけど、扱うのは簡単さ。」 インキュベーター。魔法少女生殖器、正確にはエントロピー――宇宙があり続けるための エネルギーを作り出す存在の彼らにはそのエネルギーを作り出すだけの技術があった。 すなわち、それを操ることもできる。それが、目の前にいる闇を纏いし白い猫の正体である。 闇錫「ようやく、本気、ということか。」 ほむら「この姿をとるつもりはなかったのだけど、いいわ。相手してあげる。」 此方も音もせず翼を広げる。 其の翼は宇宙を抱く黒。無数の星がその中にはあった。 言いようのない威圧感が三人から押し寄せる。 そして、彼女らはただ、こう言った。 ほむら「この、暁美ほむらが。」 キュゥべえ「このぼくが。」 まどか「わたしが。」 相手だ。 戻る